ここからコンテンツ本文です。
バイオマスガス化 - 技術の原理と特長
当社では、インドネシアでも容易に入手が可能な材料を使い、格段に安価なバイオマスのガス化技術(粘土粒子を触媒/流動媒体とする流動接触分解ガ ス化)を開発しています。得られたガスはディーゼルエンジンに投入して発電を行なうことも出来、小規模でも効率の良い発電を行なうことが可能です。
この技術の原理
細かい粒子が積み重なった層に下からガスを吹き込むと、粒子は固体であるにもかかわらず、まるで液体のように流 動します。この状態を流動層といいます。当社の技術は、この流動現象を利用して触媒/吸着作用をもつ粘土粒子をガス化炉と再生塔の間で循環させながら、バ イオマスを効率的にガス化するものです。
バイオマスをガス化炉に投入して水蒸気を吹き込むと、バイオマスは熱分解により大半がガスとして収穫され、残りが炭素分となって粘土粒子の表面に 沈着します。炭素分が沈着して触媒活性を失った粘土粒子は再生塔に運ばれます。再生塔に運ばれた粘土粒子上の炭素分は空気により燃焼除去されて、粘土粒子 は活性を取り戻します。再生されて燃焼熱によって加熱された粒子はガス化炉へと循環し、再びバイオマスのガス化反応を触媒します。このシステムでは、副産 物として植物灰と廃触媒(粘土)の混合物ができますが、これを土壌に還元することにより、原料となる植物の持続的な生産がはかれます。
この技術の特長
- 650℃〜750℃の低温で、タールの生成をともなわずにバイオマスのガス化ができます。
- 水素と一酸化炭素を主成分とする高カロリーのガスが得られます。生成したガスは、そのままディーゼルエンジンやガスエンジンに供して発電することができますが、燃料電池による発電や、メタノールなどの液体燃料合成にも利用できます。
- 先進国で開発されてきた従来の技術と比べて、格段に安価です。
- 副生する植物灰と廃触媒(粘土)の混合物は土壌に還元しやすく、それによりバイオマスの持続的生産がはかれます。
- 50キロワット〜100キロワット程度の小規模装置にも、また数千キロワット以上の中・大規模装置にも適用が可能です。
- 粉砕などの前処理なしで、大きなサイズのバイオマスが処理できます。
バイオマスのガス化(650℃)における粘土触媒のタール抑制効果